JapanKasugaMind Of The Earth

太陽、水、土、風の恵みを得てできるお米を自分で作り食べる。

縄文の時代と現在では千差万別ですが変わらない恵みを味わったとき、湧き上がる想いは同じかもしれませんね。

約半年間の稲の一生は米粒ひとつから始まります。

種籾が発芽し、幼苗期は苗床で温度管理しながら大切に育てられます。

田んぼでは水路から水をひきトラクターで耕運、代かき(しろかき)で平に仕上げたら畦塗り(あぜぬり)で水が抜けないように畦を固めていきます。

田植え機で健康に育った苗をきれいに植えていき、根が活着した頃から草取りも始まります。

茎葉が増え、分けつを繰り返し上へ上へ伸びた稲の下の方では幼い穂が形成され始めます。

平べったい茎が膨らみ出し、出穂し、数時間限りの開花。

風により受粉できた稲は結実期に入り、登熟していきます。

黄金色の田がきれいな風景を見せ、完熟したころ稲刈りによって稲の一生が終わります。

マインドオブジアースと米

マインドオブジアースの拠点が日本にできた頃から米作りはいずれやることになる。なんとなく避けては通れない作物という認識がありました。

既にお米農家として誠農園の加藤さんがやっていたし(それも有機栽培)、春日の周りでも稲作は盛んでした。

生活の一部のように春日では米作りが毎年繰り返されています。多分多くの地域でそうなんだと思います。

私も2022年は小さい田を借りることができたので自然農の米を実践してみるつもりです。

フィリピンでも米作りは始動していましたが、現地の人に任せっきりになってしまっています。

フィリピンでお米のプロジェクトが決まったのは、メンバーの実家が田舎の米農家だったことと、そこへ行きみた風景でしょう。

自然があって、人の暮らしと米がある。

それだけで豊かさ、懐かしさ、美しさを感じてしまい、守りたくなる。

遠い未来を思ったときに、1万年以上続いた稲作が今とは違う形で行われているかもしれません。

そうだとしても、世界各地にあるそれぞれの田園風景がどこかに残されているとも思います。

2021年、春日、鹿曲川の横、田んぼ

そんな中

メンバーでフィリピンでの活動にも参加してくれたクニさんという方が主となる米作りをやってみようという話が決まりました。

クニさんはやさいの森(mote春日の主メンバーの石川さんの農園)で農業シーズンを住み込みで働くスタッフとして春日に滞在し、シーズン以外は東京で暮らす(寒さに弱い)スタイルでいずれは癒しの宿を作る目標があります。

長年畑として使っていましたが、粘土質で扱いにくい元田んぼを石川さんが用意してくれました。

また、米農家の加藤さんが全面的に協力してくれました。

要所で必要な機械も加藤さんや農家仲間でメンバー(要本人確認)の方が貸してくれました。

水路の補修から始まり、稲刈り、脱穀まで全て初めてで、機械や道具はほとんど借りてこなければならない米作りは、四苦八苦されたかもしれません。

私も田植え、稲刈りは手伝うことができましたが米作りの中ではほんの一部。

毎日の水管理や草取り、特に田植え前の田んぼ作りは苦労が多かったように見えます。

実りの秋、周りの田では稲穂が垂れて緑から黄金色へ変わる中、クニさんの田はまだ緑が多く背も低め。

もともと条件も良くなくて使われなくなった田んぼでの一年目の米作りは60kgほどの収穫量でした。

量は見込みの1/3ほどでしたがクニさんが作った米は美味しかったです。

多拠点

クニさんは多拠点で活動している人です。

住所は埼玉にあり、東京の実家で家族と過ごす時期もあり、昨年のように春日で農業シーズンを過ごしたり。

私の場合は、長野県佐久市春日で暮らしていて、必要があれば東京にいき農作物を売ったり、イベントに出店したり。長期の時間が取れたらフィリピンの拠点へいき現地メンバーと交流する。

これはコロナで今は不可能ですが、就農前から思い描いていたライフスタイルです。

今はテレワークなんて言葉のように場所の制約が消えつつあります。こうでなければならないという固定概念が多方面で崩れ出している。

それを主体的に農業は不可能では?

クニさんはそれをやりました。現地の農家との信頼関係があったからです。

農作業は大変だし、甘くない。確かにそうです。

だからと言って農家でない人が米や野菜を作れないわけではありません。

現状、田畑は農家でないと借りることも持つこともできませんが、作業する人は都会の人でも外国人でも小学生でもいいのです。

自分たちで米を作りたい東京に住む家族やその仲間たちが、交代交代で休みの日に田舎の田んぼで作業する。普段の管理は地元農家に任せる(有料)。

このケースは以前からありました。

マインドオブジアースだったら

お金を払って農業体験をして、作物をいただくという形もいいですが、より深く関われるやり方があってもいいと思います。

これは求めすぎかもしれませんが、志を持って個人として何か活動したいと思っている者がそのステップとして、または土台作りのために春日の拠点にやってくる。

お互いの信頼を得て、その者を迎え入れたら互いに負担にならない程度に協力して、お互いの活動を進める。

その後は、春日に拠点を置いてもいいし、あらたな場所でこの経験を活かしてもいいし。

moteの活動拠点が誰かの進路の一つになればいいなと思います。

(農業研修や移住体験はこれに近いかもしれないが、moteはNGO(非政府組織)なので最初から可能性を狭めるようなことはしない。)

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