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「小農の権利宣言」というニュースに関して

少なからず関係のある記事を目にしたので投稿させていただきます。

ラジオの番組で堀潤さんが選んだ2018年の重大ニュースという内容、その第2位について。

第2位:国連で「小農の権利宣言(小農と農村で働く人びとの権利に関する国連宣言)」が採択される

掘:これは、ほとんど報道されていません。日本農業新聞と中国新聞だったと思うんですけども、そこは記事にしてました。ところが、全く注目されてなかったんです。今、世界中の農地で過剰な開発が、特に先進国が関わって行われています。アフリカ、南米、カンボジアなどもそうです。そういった中で、土地を強制的に収奪されたり、非常に安い労働力としてこき使われたり、本来はその地域のコミュニティの中で育まれてきた、適正な範囲での農業というものが、過剰な開発によって根こそぎ奪われていくような状況が、各地で続いてるんです。
津田:なるほど。
掘:特にアフリカやアジアや南米、それらの国々が中心になって、小規模農家の権利を守りましょうということが定義されました。ところが、それに反対したのがアメリカや中国であって、たくさんの小規模農家がある日本はどうしてるのかというと、今年は種子法の廃止も話題になりましたが、日本は棄権しました。小農家に対しての権利は、国際社会ではまだ議論が未成熟なので、新たな権利をここで作るよりも、今までにある法律内で対応したほうがいいという判断から棄権したと、外務省が言ってるんですけど、果たしてそれでいいのかと。

堀が注目した理由は、モザンビークで、非常に大規模な農業開発事業を、日本の税金も使って進めようとしていることにあります。

掘:日本国内の食料安全保障の観点から、大豆だったり小麦といったものを、安定供給させてもらう先を、南米、アフリカなどのいろいろな地域に作っておく。その中で、現地で雇用を生み出して、付加価値のある近代的な農業を、というのが名目なんです。実際には、そこに日本だけではなく、いろいろな企業が投資をする中で、土地の強制収奪であったり、説明がしっかりされていないまま、開発だけが先行してしまう状況もあります。日本のNGOなどもそこに入って、日本政府はこの状況に耳を傾けてほしいと訴え続けています。さらに、東南アジアに目を移すと、カンボジアでは中国政府との結びつきが、現地のフン・セン政権が強くなって「我々は中国の資金で開発ができる。欧米の支援は必要ない」といって、民主主義的な手続きが重んじられない中での開発で、同じく土地の強制収奪が行われています。それに対して反対の意を唱えた民衆を取材しているメディアが潰され、そうした彼らの声を受けて台頭した野党が今年解体され、フン・セン政権はまさに総選挙で独裁的な基盤を固めたんです。
津田:今、アジアの権威主義的な国が、ほぼ独裁状態というか、民主主義的な手続きをほぼ捨て去っているという状況ですもんね。
掘:そういう中で、やはり日本がいろいろな国々との関係を築いていく上で、まさにひとりひとりの権利、人権であり環境であり、そうしたものに重きを置いた関係を作ることが、日本の信頼や信用であり、日本の安全保障政策の一番重要だと思うんですね。
津田:本来、外務省がそれを率先して、その価値を輸出していくべきなんですけどね。

視野と懐の狭い先進諸国が主に反対しているようですが、地域に適した小規模な農業に取って代わる農業はありません。

自然相手のリスクというのは各地で異なります。

フィリピンのような赤道に近い国の強烈な日差しは、裸地をひび割れた固い土に変えます。

集中的に降る雨は木や草によって固定されていない表面をさらっていきます。

当然、現地の人たちはリスクに対応した形で農業をしています。

(目前に関しては)非常に効率的で、生産性の高い付加価値のある近代的な農業をしたい人がするのは勝手ですが、それによって小農家が地域に適した小規模な農業をできなくなっているという現状は危険です。

品種の減少、品質の低下(それを食べるものも)、地力の低下、風景の消失、伝統文化の消失、農業従事者の減少、生産量の不安定化、価格の不安定化、など考えられるし、そこから派生する影響を考えればさらに幅広い分野に関わる。

カカオやコーヒーのような作物のために過酷な労働を虐げられた生産地の弱者がいたように、このやり方には問題が起こりやすい。

それでもやりたいというなら、ぜひ問題を隠さずに責任を持ってやっていただきたい。

このニュースに限らず、いい内容だったので興味がある方はご覧になってください。

第2位:国連で「小農の権利宣言(小農と農村で働く人びとの権利に関する国連宣言)」が採択される

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