フィリピンの状況
以前の投稿では火山噴火(Taal volcano)によってパパイヤが全滅、短期作物も売り物にならなかったことをお伝えしました。一年越しのこのプロジェクトで想定していたインカムはおよそ100万円。本来の活動趣旨に沿わない換金目的の作物だったので、自然の大きな力に一捻りされ妙に納得できるところもありました。
その後、避難区域に指定されていた第二の拠点BilogBilogの畑は、アリエルさんの通いでなんとかバボイ(豚)に餌をあげるくらいの活動はできていました。
それが今、Covid-19(コロナウィルス)の流行で移動が制限され、完全に行けていません。お金の損失以上に辛いところですが、塀の中に残されたバボイは餓死してしまうでしょう。3.11の時、原発避難区域でも繋がれたまま死んでいった家畜がたくさんいます。もっとも避けたかった最期を迎えさせてしまうかもしれません。人が出入りしなければ野犬も弱った家畜を狙いに来るかもしれません。Bilogbilogのオーナーで共に活動しているビオさんのヤギは、火山の避難期間に野犬に食い殺されていました。
前回の現地訪問の際に、畑の隅の原野のスペースにフェンスを作りました。残りは仕上げのみ。2、3日で終わるはずでしたが、完遂されず。そこに数頭でも移していれば数ヶ月は生き延びれたはずです。
理想と現実が突きつけられます。現実的に行動したはずが、自然現象によって全滅しようとしています。もっと理想を追っていれば、ダメージは最小に済んだはず。今すべきことを導かれてるような気になります。
現在、フィリピン全域でロックダウンが行われており、解除まで1ヶ月はかかると言われているようです。隣町のタナワンシティは感染者が特に多く現在1000人近いです。
移動が厳しく制限され、マーケットも封鎖。政府からの補助金一人5000ペソも未だに実行されず(月給くらい)。フィリピンの役所仕事はなんでも果てしなく時間が掛かるとよく言われる。
いつも滞在するサントトーマスの拠点では、アリエルさん家族が仲良く元気に暮らしてくれていてホッとしますが、外出できないためバボイ20数頭の餌が手に入らず、近所でバナナの木など草木を集めていますが季節はドライシーズン。草木のもっとも少ない時期で、畑をやろうにも雨は降らないし、地温が高すぎて芽も出ない。
あと数日でマーケットが再開されるので、そこで現状を打破できればいいのですが、、、ここまで逆境が続くともう悲劇のシナリオはまだ終わっていないように追い込まれてしまいます。しかし影響を受けたのは自分たちだけではないし、現地のメンバーはさらにきついはずなので、私は先のことを考えておかなければなりません。
日本の状況
本来、私は今長野の拠点にいるはずだったのですが、コロナウィルス感染拡大のリスクを考慮して自宅待機しております。とりあえず2週間。そして雪や長雨の中、いろいろ考える時間をもらっています。
東京を主に感染者数が増えてきました。症状が出て重症化した人、濃厚接触者、感染事例により当てはまる人が優先的に検査を受けている状況なので、隠れ感染者はさらにいて現在進行で拡散していると考えられます。国民の意識がようやく感染させないことに移行しだしたと思いますが、物資も設備も整わず、政府は優先順位が未だに定まっていないようですので収束はまだまだ見えず、自体はかなり悪化するのではないかと思います。
経済の打撃が大変なことになっていますが、金融経済は最初からうわべだけでとっくに実体のないものになっていたと理解しています。性懲りも無く、国債を発行しているようですがもう限界を超えている。それよりも優先すべきは人の命のはず。
解決策とマインドオブジアースのこれから
コロナウィルス感染がいつ収束するのかはまだわかりませんが、人々の意識や生活そのものが変わることはまちがいないでしょう。今回は移動が制限され、ほとんどの仕事、職業が需要を失い、医療物資が手に入らない。さらに、これから起こるかもしれない世界大恐慌、食料危機、国交封鎖、さらに日本は常に地震、津波のリスク、原発のリスクがあるし、地球規模で異常気象と呼ばれる自然災害が毎年やってきます。
有事の際にどう動くかは、何を優先するかをはっきりしたほうがいい。そして事前に備える。
毎日の通勤や長時間の拘束の対価としてのお金は、それにかけた時間や犠牲にしたモノコトに本当に見合っているのか。優先順位を見誤っていないか。お金の価値が実体のない数字上で日々変化する経済システムが一部の人たちのための仕組みであったように、自分にとっての常識や周りの大人がいつも正しいとは限らない。
例えば、膨大な時間と労力、公費を費やして作ったダム。
大雨の時に川下の住民は、ダムの決壊のリスクにさらされる。ダムは災害対策にはならないしいつか老朽化する。水力発電によって得られる電力は住民を支えているが、命との天秤にはかけられない。また、コンパクトで弱い水流でも発電可能な水力発電装置は完成しているので、電気は地域レベル、一家レベルで作る時代がくる。景観だけでなく気の流れも悪くしていそうな山から山にかかる送電線はセンスのかけらもない。
本当の豊かさを考えるタイミングが多くの人にきている。それは周りに影響されずに、多少の事では動じない安心できる材料になる。
持続可能性、生物多様性といったキーワードが環境問題やエネルギー問題でよく言われますが、これに関係のない人はいない。いるとすれば完全な閉鎖系で外界から独立して生きている人だけ。食品、日用品、建築、交通、産業と大から小まで様々なところで人は原因を作って結果から影響を受けている。昔からそう。(温暖化、砂漠化、酸性雨、異常気象、花粉症、化学物質過敏症、がん、アルツハイマー、病気いろいろ、マイクロプラスチック、放射性物質、、、)
豊かさを追求するためのキーワードは他にもたくさんあると思います。自己肯定感とか人の多様性、自由、平等、博愛の精神など(ちょっと今は出てこないけどもっとある)
マイアスとして活動する上で目指すところは、おそらく多くの人が望むところと同じくより良い暮らしができる場所、社会を作ること。ただし名前にもついてるように地球の単位で考え、自然の循環やバランスを意識する。そこには利己主義やこれまでの経済システムは相容れない。
ここまで読んでいただいて、具体的な解決策やこれからのことがないのでもやもやだと思います。それはまた書きます。他の方の意見でとてもいい考え方をメンバーの方からの紹介で教えてもらいました。長いですが読んでみてください。
「表土とウィルス」 https://synecoculture.org/blog/?p=2640 協生農法、船橋真俊さん